室井滋著『ヤットコスットコ女旅』は、著者が電車などで移動中にあった出来事が多く書かれていました。
車内販売がなくなったことを嘆いておられ、座席で仕事をする大変さ様子もありました。
遠くへ行く機会がない私は、乗り物に乗る機会が少ないです。
障害者の職業訓練校へ行っていたときに、駅でクラスメイトではなかったのですが、車いすユーザーと話をしていました。
夏か冬休みかは忘れましたが、これから長期の休みになるので、どこまで行かれるのか話をしていたと思います。
重度障害者は付き添いがあると、距離に関係なく、障害者と付き添いの方の通常運賃が半額になります。
そのため、同じ方向の場合は、友だちを付き添いにして、一緒に帰った方が、運賃が安くなります。
私の行く方とは逆でしたので、私は正規運賃の切符を購入しました。
電車が来ましたが、どこも休みだからかもしれませんが、平日なのにとても混雑していました。
空いている席を探しましたが、見つかりそうにありません。
仕方がなく、相席をお願いしようかと思っていると、見ず知らずの女性が私の服を引っ張りました。
手招きまでされて、ついて行くと「ここに座りなさい」と指差しされて、座席に置いてあった荷物を持って行かれました。
私は慌てて、その方の背中に向かって「ありがとうございます。」とお礼を言いました。
その方を駅で見かけたような気がしますので、私たちの話をしている内容から、私が障害者だということを知って、席を変わってくださったのでしょう。
見た目は何ともなくても、内部障害ということも考えられ、長く立っていることが出来ない方もいます。
私は聴覚障害者ですので、立っていても大丈夫でしたが、遠慮なく座らせていただきました。
席を譲ってくださった方は、他の所へ座りましたので、もしかしたら、私のために席を確保してくださったのかもしれません。
同じように、バスターミナルで生徒と話をしていました。
私は都市間バスを使って帰宅するために、市内のバスを利用しようとしていたのですが、これから降りようと思っているバス停で降りるのは初めてでした。
車内放送が聞こえればよいのですが、聴覚障害者のため聞こえません。
なるべく前の方に座って、バスの前にある停留所の表示板を見るか、周りの景色を見て、そろそろ降りるところだと判断しております。
降りられなかったら困りますので、ここから何番目の停留所なのかをチェックしていると、同じ学校に通っている生徒に話をしました。
バスが来て、外のバス停が見えるように左側の座席で、なるべく前の方には乗りましたが、表示板は小さくて見にくいです。
何番目と思えていましたので、放送に気をつけて、周りの風景をよく見ながら、バスにゆられました。
降りるところの前のバス停に書かれた文字を確認しましたので、次に放送がなったら、チャイムを押そう思いました。
放送がありましたので、押した方がいいかなと思ったところ、チャイムが光ました。
どなたか、私と同じ場所で降りるのでしょう。
バスが止まりましたので、障害者手帳を見せて、半額のバス代を払って降りました。
障害者手帳があると、距離に関わらずバス代が半額になるのは、とても助かります。
JRですと、付き添いがいるか、または長距離でなければ半額になりませんので、使うことは限られております。
チャイムを押した方も降りられると思っていたのですが、降りたのは私だけでした。
多分、バスターミナルから一緒に乗った方が、私の話を聞いていて、チャイムを押してくださったのだと思います。
もしも、私が降りそうになければ、声をかけてくださったかもしれません。
そこは、障害者の学校がありますので、そういうのに慣れているのだと思いますが、優しい方が多いなぁと思いました。
そういうことが出来る方は、素敵ですよね。
室井さんのエッセイは、読みやすいですので、お勧めします。
手助けを 気軽にできる 環境が 人を豊かに 成長させる
歯を削る 気軽にできる 環境が ヤブ喜ばせ 被害者増やす