地域づくり委員会のUさんが、言いながら筆談してくださいました。
『推進員さんが、質問されますので、よろしくお願いします。』
「はい。よろしくお願いします。」
『どのようなことが、一番お困りですか?』
推進員さんが、おっしゃったことをUさんが、書いてくださいます。
それを見て、答えました。
「削られた歯がしみて、痛みがあることです。今、お話していても、歯がスースーして嫌な感じがします。体に振動を感じても歯が痛いので、そっと歩くようにしています。今日は、遅くなりましたので、走ってきましたが、歯に振動が伝わらないように、削られた歯を舌で抑えました。歩く時も、舌で歯を抑えています。」
走ってきたので、息が上がっていました。
「すみません。お茶を飲んでもよろしいでしょうか? 走ってきたので、喉が渇きました。」
「どうぞ。自動販売機、ありますか?」
「いえ、私はマイボトルを持ってきております。あそこに自動販売機がありますので、よかったら購入しませんか? 何がよろしいでしょうか? わざわざ来てくださったのですから、私のおごりです。」
「いえ。私たちは大丈夫です。」
「遠いところお越しいただきましたので、それくらいさせてください。温かい飲み物もあると思います。」
「本当に大丈夫です。」
「遠慮なさらないでください。」
「大丈夫ですので、〇〇さんはお飲みください。」
「そうですか? では、私だけで何だか、申し訳ありません。」
「どうぞ。」
私は、リュックからマイボトルを取り出して、お茶を飲みました。
「自動販売機で購入しても、飲めないのです。温度があるものは、歯がしみますので、人肌でなければ口に出来ません。どこへ行くにもマイボトルを持って行っております。家でも人肌にしていますが、少し置いておいて冷たくなってしまったら、歯がしみて、痛いこともあります。」
「大変ですね。」
「この状態にも、慣れました。」
温度があるものも、削られた前歯につかないように、口の奥に入れるコツも習得しました。
そんなコツ、習得したくありませんでした。