拝啓 初夏の候、日頃から格別なご高配をいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、過日、〇〇さんからご相談のあった歯科医院受診の件について、「〇〇地域障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」(以下「当委員会」という。)としての考え方をお知らせします。
1「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」について
北海道では、障がい者が暮らしやすい地域づくりを目的として、全道14圏域毎に「障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会」を設置しています。
地域づくり委員会では、差別や虐待及び権利擁護に関することのほか、障がい者の暮らしづらさ等についての協議を行います。
また、協議等の申し立てがあった場合、申し立てのあった事実について確認するため、当事者双方に対し聞き取り調査等を行うとともに、調査で確認した事実や当事者の意見をもとに、暮らしづらさの問題解決のためのあっせん等を行うこととしています。
2 〇〇さんからの相談内容について
〇〇さんからご相談について、当委員会として、どのような対応ができるかを検討することとし、1月30日に〇〇さんにお会いするとともに、〇〇さんの相談内容を次の4点に整理しました。
(1)道歯科医師会では、主治医の判断が最優先されるとのことだが、患者に断りなく歯科医の判断で治療することに問題ないか。
(2)歯を削ったことで、数ヶ月たっても苦痛が続いているのは患者の問題か。
(3)歯を削ったことで治療が必要となり、余分な医療費が使われたのは問題ではないか。
(4)予約していたにもかかわらず、診察室に3時間以上も放っておかれたのは問題ではないか。
3 調査及び確認した内容について
上記4点については、いずれも医療行為上の事柄または医療費の請求上の内容となっており、当委員会として、その内容についての判断する立場に無いと考えますが、これら相談事案発生の端緒に「障がいがあること」が起因しているのであれば、問題の解消に向けた調査をする余地があるのではないかと考え、当事者からの聞き取りなど、事実確認を行うこととしました。
また、併せて、医療機関の指導や検査等を所管する行政機関である〇〇保健所並びに北海道厚生局に対し、〇〇さんが行った照会等の内容が正しく理解されたかなどについて確認しました。
(1)〇〇医師
〇〇医師に対し、受診時の状況について確認したい旨依頼したところ、主に次のような趣旨の説明がありました。
① 医師疎通は筆談により対応していた。
② 治療については、十分説明を行うようにしていた。
また、上野医師としても、いろいろなお考えがある様子で、今後、当委員会と話をしても、問題の解決には繋がらないとの話がされました。
(2)〇〇保健所
〇〇保健所では、〇〇さんからの相談について、状況確認のため〇〇医師に対し調査を行ったとのことでした。
内容については、〇〇さんへ回答にあるとおり、個別の治療内容等についての判断はできないとのことであり、結果として、当事者間での話し合いを勧めたものと考えます。
(3)北海道厚生局
〇〇さんが、本年3月に北海道厚生局あて照会した、受診した覚えのない医療費のお知らせがあったことについて、当委員会から、北海道厚生局での対応等について再度確認をしました。
北海道厚生局では、
◎ 被保険者(受診された方)からの情報提供については、指導(いわゆる監査)の際の参考にさせていただく。
◎ 情報提供者に対し、個別の事案について、指導の内容や結果をお知らせすることはない。
とのことでした。(北海道厚生局での当該取扱いについて、当委員会から〇〇さんへお伝えしても差し支えないとの回答をいただいております。)
4 当委員会としての対応について
当委員会では、医療行為の内容についての判断はできません。
今回は、相談事案発生のきっかけが、意思疎通が円滑に図れないなどの「障がいがあること」に起因するのであれば、問題解消のための調整等が行えないかと考えましたが、当事者である〇〇医師のお話からは、当時の状況を確認することができませんでした。
また、〇〇医師からは、今後、当委員会が調整等を行っても、この問題の解決には繋がらないとの趣旨の話がされ、当委員会として、今回のご相談の事案について、これ以上調整等を行うことは困難との結果に至りました。
この度の歯の治療に伴い、お辛い想いをされていることは大変だと思いますが、当委員会の設置の趣旨及び役割等に鑑み、ご理解くださるようお願いします。
これから暑い季節となりますが、お身体ご自愛ください。 敬具
平成30年6月6日
〇〇 〇〇〇 様
〇〇圏域障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会事務局
(〇〇総合振興局保健環境部 社会福祉課長 〇〇〇〇)
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