歌詞を手話で表現する手話ソングがありますが、とても楽しそうですよね。
手話を知らない方も、同じように手を動かしているうちに、何となく手話を覚えた気になります。
しかし、聞こえない側からすると、何をしているのか、さっぱりわかりません。
どういうことかと申しますと、歌詞を単語ごとに手話表現しても、意味がわからないのです。
以前、加入していた手話サークルで使われていた手話ソングの一部をご紹介します。
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まぶしい 陽ざしが 君の 名前を呼ぶ
太陽 ふりそそぐ あなた(左) 口元から呼ぶ(右)
おんなじ 気持ちで 空が 見えるよ
同じ 心 空(左) 上を見る(右)
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『世界がひとつになるまで』の歌詞の冒頭部分です。
黒文字が歌詞で、赤文字が手話になります。
(左)ならば左手で、(右)ならば右手で表現します。
手話がわからないと思いますが、気にしないでください。
手話を日本語に直すと、どうなるでしょうか?
太陽がふりそそいでいるあなたに叫ぶ、同じ心で空を見上げる。
こんな通訳されても、何のことか、わかりませんよね。
おまけに元々の歌詞と、少し違っております。
『まぶしい日差し』が、『太陽がふりそそく』になってしまうと、意味が変わってしまいます。
歌詞全体を見て意味を考えますと、登場人物は二人ではないかと思いますので、仮に男女とします。
女性がドアを開けて、外へにいる男性に声をかけると、(暗い室内から来たので)太陽がまぶしくて、空を見上げた。
呼ばれた男性も空を見て、いい天気だと二人は思った。
これなら意味がわかりますよね。
歌詞は人によって受け止め方が違いますが、手話ソングよりは意味がわかると思います。
意味がわからない手話ソングですが、聞こえる方にはとても人気があります。
加入していた手話サークルは毎年、イベントで発表しておりますし、手話の勉強としても、手話ソングを利用しています。
歌詞の意味を考えず、単語をそのまま表現しますので、単語勉強にはなりますし、音楽がありますので、聞こえる方は楽しんでおります。
私は補聴器をしても、ほとんど聞こえませんので、手話ソングはあまり楽しめません。
歌詞によっては、手話ソングでも、わかるのがありますので、そういうのは楽しめます。
手話通訳をしている方は、手話ソングでは意味が通じないことがわかっていると思います。
聴者は音楽に合わせて手話表現すると楽しいので、聞こえない人のことは考えないのかもしれません。
手話ソング 楽しく歌う 健聴者 ろうあ者たちは 無言で見つめ
後悔を しても遅いが してしまう 削られた歯が ズキッと痛む