はははのはのおはなし

私の歯を勝手に削ったのは、逮捕されて無罪になった歯科医ではありませんが、無罪になったニュース記事を引用したところ刑事告訴され、刑事さんから取り調べを受けました。その記事は地方法務局を通じて、1年以上前に見られないようにされておりますが、その歯科医は私に対して、非常に強い処罰意志と逮捕を望んでおられるとのことです。

勝手に歯を削られたのは、推進員の方が拍手をしたから。

『これにご記入していただけますか? ここに、今日の日付と住所とお名前をお願いします。』

 

Uさんが、A4用紙を私に差し出しました。

 

「はい。」

 

書く場所を指差されたので、言われたまま記入しました。

名前のところに、㊞とありました。

 

「印鑑も必要なのですね。シャチハタでよろしいでしょうか?」

『大丈夫です。』

「あったと思うのですが……。ありました!」

 

リュックの中から、シャチハタを取り出すと、推進員の方が何故か拍手をしました。

 

「これでよろしいでしょうか?」

『はい。ありがとうございます。』

 

記入して、捺印した用紙をUさんへ渡しました。

 

『では、持ち帰りまして、検討させていただきます。改めて、ご連絡をさせていただきますので、少々お待ち願います。』

「はい。よろしくお願いします。」

 

時計を見ると、午後5時前でした。

1時間以上、話をしていたことになります。

 

「1時間以上も寒いところでお話させてしまい、風邪を引かれないか心配です。申し訳ありませんでした。」

「大丈夫です。」

「お気をつけて、お帰りください。」

「ありがとうございます。」

 

駅側玄関から一緒に出て、頭を下げて、お二人をお見送りしました。