『これにご記入していただけますか? ここに、今日の日付と住所とお名前をお願いします。』
Uさんが、A4用紙を私に差し出しました。
「はい。」
書く場所を指差されたので、言われたまま記入しました。
名前のところに、㊞とありました。
「印鑑も必要なのですね。シャチハタでよろしいでしょうか?」
『大丈夫です。』
「あったと思うのですが……。ありました!」
リュックの中から、シャチハタを取り出すと、推進員の方が何故か拍手をしました。
「これでよろしいでしょうか?」
『はい。ありがとうございます。』
記入して、捺印した用紙をUさんへ渡しました。
『では、持ち帰りまして、検討させていただきます。改めて、ご連絡をさせていただきますので、少々お待ち願います。』
「はい。よろしくお願いします。」
時計を見ると、午後5時前でした。
1時間以上、話をしていたことになります。
「1時間以上も寒いところでお話させてしまい、風邪を引かれないか心配です。申し訳ありませんでした。」
「大丈夫です。」
「お気をつけて、お帰りください。」
「ありがとうございます。」
駅側玄関から一緒に出て、頭を下げて、お二人をお見送りしました。