歯科へ行くと、受付の方が笑顔で迎えてくださいました。
診察券と保険証を渡して、待合室の椅子に座って待ちました。
診察室へ続く戸が開き、歯科衛生士さんが私に合図してくださいました。
いつもは、1番か2番の診察室なのですが、この日は一番奥の3番の診察室に入りました。
1番と2番は、廊下から診察室が見えますが、3番は、個室になっていますので、ドアを閉めると中の様子が見えません。
診察室へ入ると、重そうなドアが閉められました。
衛生士さんが置いてくださった紙コップで、口をゆすいで待っていると、先生が来られました。
「こんにちは。よろしくお願いします。」
「こんにちは。どうですか?」
「まだ、歯がしみて、ズキッとした痛みがあることがあります。」
「まだ、しみますか。」
「はい。」
先生は、受付でお渡した手紙を読まれてから、驚いた感じで言いました。
「自分で、歯を削ったのですか!」
「はい。削られた歯に下の歯が当たって、痛くて我慢できなかったのです。何日もかけて、少しずつ爪やすりで削りました。」
「そうですか……。レントゲンを見る限りでは、何ともないのですが。」
先生は、2枚のレントゲン画像を見ながら言いました。
「確認のために、もう一度、レントゲン撮影しましょう。」
「はい。」
歯のレントゲンを撮りました。
この歯科では、3枚目です。
診察室へ戻って待っていると、先生が来られました。
先生はマウスで操作して、目の前の画面に、先ほど撮影したレントゲンが映し出されました。
「レントゲンでは、なんともありませんね。しみますか?」
「はい。しみますので、今日もしみ止めをつけていただきたいです。」
「そうですか。しみ止めが効かないようでしたら、レーザー治療もあります。」
「しみ止めをつけると、一時的ですが、しみにくくなります。レーザー治療をすると、しみなくなりますか?」
「してみなければ、わかりませんが、繰り返ししていると、しみなくなるかもしれません。」
「してみなければ、わからないのですね。間違いなく、しみなくなるのでしたら、してみたいです。」
「1度では、効きません。繰り返すことによって、しみなくなります。」
「しみ止めを塗った直後は、しみなくなりますので、しみ止めで様子をみたいのですが、どうでしょうか?」
「しみ止めにしますか?」
「はい。」
「じゃあ、しみ止めを塗りますね。」
「お願いします。」
先生は、衛生士さんに指示をして行かれました。