診察室へ続くドアが開き、歯科衛生士さんが私に合図されました。
私は、衛生士さんに続いて、廊下を歩きました。
診察室にもモニター代わりの薄型テレビがあり、待合室と同じチャンネルに合わせてありました。
ぼんやりモニターを見ていると、先生が来られました。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
先生は、私が受付でお渡ししたメモをご覧になりました。
『聴覚障害者の○○です。
前回、前歯の詰め物を取り替えていただきましたが、よい感じです。
削れられた歯は、しみ止めをつけていただいた直後は、よいのですが、熱いものにも、冷たいものにもしみて、人肌のものしか口にできません。
何か食べると、歯がジンジンしますが、少し噛めるようになりました。
今も、前歯がスースーして、話をするのが苦痛です。
歯の痛みと無関係かもしれませんが、削られてから頭痛が続いているのも気になっています。
今日も、上の前歯左2番目と、右2番目と3番目にしみ止めのお薬をつけてください。
よろしくお願いします。』
「まだ、歯がしみますか。」
「はい。」
「レントゲンでは、何ともないのですけれどね。」
先生は、モニターのレントゲン写真をじっくりと、ご覧になっていました。
「今日も、しみ止めをつけましょう。」
「はい。お願いします。」
「あまり効果がないようでしたら、レーザー治療もあります。」
「レーザーですか?」
「レーザーを当てると、しみなくなるかもしれません。今日は、しみ止めでよいと思います。」
「はい。お願いします。」
「今日は、歯肉のチェックと下の歯のクリーニングもしますね。」
「はい。お願いします。」
「では。」
「ありがとうございました。」
先生の診察が終わりました。