はははのはのおはなし

私の歯を勝手に削ったのは、逮捕されて無罪になった歯科医ではありませんが、無罪になったニュース記事を引用したところ刑事告訴され、刑事さんから取り調べを受けました。その記事は地方法務局を通じて、1年以上前に見られないようにされておりますが、その歯科医は私に対して、非常に強い処罰意志と逮捕を望んでおられるとのことです。

勝手に歯を削られたのは、何を言われているのか理解できなかったから。

『しみ止めをつけます。どの歯がしみるのか教えてください。』

「この歯の前側と、こことここの裏側です。」

 

私は、前回と同じように、上前歯のしみる部分を指差しました。

 

「ここから、ここまでつけますね。」

「はい。お願いします。」

「椅子を倒します。」

「はい。」

 

椅子が倒されると、脱脂綿を口と歯の間に詰められました。

顔にタオルがかけられると、ライトがつきました。

いつでも口を開けられるように待っていると、アゴに手がかけられましたので、口を大きく開けました。

歯に、しみ止めが塗られました。

ライトが消えると、タオルも除けられました。

 

『少し、このままでお待ちください。』

「はい。」

 

しみ止めをつけた後で、しばらく待つのは、しみ止めが浸透するのを待っているのでしょうか。

勝手に私の歯を削った歯科では、つけた後、すぐに口をゆすぐように言われました。

しばらくして、水の出る機械で脱脂綿を濡らしてから、脱脂綿が取り除かれました。

 

「椅子を起こします。」

「はい。」

「口をゆすいでください。」

「はい。」

 

私が口をゆすいでいる間に、衛生士さんがいなくなりました。

もう、今日の治療は終わりましたので、エプロンを外してくれたら帰ろうと思い待っていると、先生が来られました。

 

「どうですか?」

「えっ?」

 

治療が終わっていることもあり、先生が来られるとは思っていませんでしたので、何を言われているのか理解できませんでした。

 

「詰め物が高かったり、違和感はあったりしませんか?」

「大丈夫です。とても上手にしていただけました。ありがとうございます。」

「そうですか。次回も、しみるようでしたら、しみ止めをつけます。」

「はい。よろしくお願いします。」

「お大事にしてください。」

「ありがとうございました。」

 

先生が去って行かれると、衛生士さんがエプロンを外してくださいました。

 

「待合室でお待ちください。」

「はい。ありがとうございました。」

「お大事になさってください。」

「はい。」

 

私は、診察室を出ました。

待合室で待っていると、受付の方が、私を見てうなずきました。

受付へ行くと、メモを見せられました。

 

『3月8日、16:30』

「はい。お願いします。」

「お大事になさってください。」

「はい。ありがとうございます。」

 

診察券を受け取り、歯科医院を出ました。