はははのはのおはなし

私の歯を勝手に削ったのは、逮捕されて無罪になった歯科医ではありませんが、無罪になったニュース記事を引用したところ刑事告訴され、刑事さんから取り調べを受けました。その記事は地方法務局を通じて、1年以上前に見られないようにされておりますが、その歯科医は私に対して、非常に強い処罰意志と逮捕を望んでおられるとのことです。

勝手に歯を削られたのは、奥さんが目を反らしたから。

「ザラザラしている歯を磨きます。」

 

そう言って、院長先生は去って行かれました。

奥さんと目が合うと、ちょっと困った感じの顔をして、一瞬目を反らされました。

 

「起こします。」

奥さんから言われて、椅子が起こされました。

 

「お口をゆすいでください。」

 

私は、くまモンの紙コップを手に取りました。

紙コップを持った手が、かすかに震えているのがわかりました。

舌で削られた歯に触れると、ザラザラして嫌な感じがします。

歯を削られたくないのに、削られてしまって、泣きたくなりました。

水を口に含みましたが、自分の歯だと思うと、吐き出したくありませんでしたが、そういう訳にもいきませんので、吐き出しました。

吐き出した水は、排水口に入って行きます。

いつもは、2回ゆすぎますが、1回だけにしました。

紙コップを戻すと、吐き出したところに水が流れ、台をきれいにします。

目には見えませんが、私の歯が排水口に入って行く様子を見るのは、本当に悲しかったです。

 

「ザラザラしている歯を磨きますね。倒します。」

 

椅子が倒されましたが、口を開けたくなかったです。

家に帰りたいと思いました。

しかし、仕事の事を考えて、仕方がなく口を開けました。

奥さんは、削られた歯に器具を軽く当てました。

 

「どうですか?」

「ザラザラしています。」

 

再び、歯を磨くと称して削られました。

 

「どうですか?」

「ザラザラしています。」

 

自分の歯なのに、ザラザラしすぎて、触れたくないです。

削られてから痛い気がするのは、気のせいではないと思います。

奥さんが、私から離れました。