16時すぎ、私の順番が来て、診察室へ入りました。
診察台は、以前と同じ、入り口に入ってすぐ右側のところでした。
奥さんが、私にエプロンをつけてくれました。
くまモンの紙コップを置いてくださったので、口をゆすいで、院長先生を待ちました。
5分くらいしてから、院長先生が来られました。
「こんにちは。」
「こんにちは。その後は、どうですか?」
「削っていただいた歯がザラザラして、すごく気になります。」
「磨くと、ザラザラしなくなります。後で磨きましょう。しみる感じはいかかですか?」
「しみる感じがしていたのは、強く噛みしめているのが原因みたいです。それで、噛みしめないようにしています。この歯も何となく気になるのですが、気にし始めると、あちこち気になります。」
私は、右前、真ん中から2番目の歯を指差しました。
「噛みしめないようにしているのは、よいですね。どういうときに、しみる感じがしますか?」
「今は歩いて通勤しているのですが、通勤時に一番、しみる感じがします。寒いせいか、朝はしみる感じが強いです。」
「食事中や食後は、いかがですか?」
「気にならないと思います。朝、起きたときは、今は寒いので、気になることがあります。」
「起きてすぐですか?」
「いえ。起きてすぐではないと思います。アパートは古いので、朝起きたときは、部屋がとても寒いのですが、トイレに行って、戻ってきたときに、歯がしみる感じがします。寒いと、つい噛みしめてしまいます。噛みしめすぎて、アゴがグキッとなることもあります。」
「朝、目が覚めて、噛みしめている感じがありますか?」
「ないと思いますが、わかりません。」
「布団の中にいるときに、噛みしめている感じはありませんか?」
「布団の中は、暖かいですので、噛みしめてはいないと思います。」
「寝ているときに噛みしめているかどうかは、ご自分ではわからないですよね。」
「そうですね。」
「寝ているときにも、無意識に噛みしめているのではないでしょうか。」
「そうでしょうか?」
自分のことですが、聞かれてもわからなくて、答えられませんでした。
無意識にしていることは、誰にもわかりません。