はははのはのおはなし

私の歯を勝手に削ったのは、逮捕されて無罪になった歯科医ではありませんが、無罪になったニュース記事を引用したところ刑事告訴され、刑事さんから取り調べを受けました。その記事は地方法務局を通じて、1年以上前に見られないようにされておりますが、その歯科医は私に対して、非常に強い処罰意志と逮捕を望んでおられるとのことです。

勝手に歯を削られたのは、しみ止めをつけるためかも。

「しみ止めをつけます。」

 

院長先生が、そう言うと、30代の歯科衛生士さんに私の歯を指差しながら、指示をしていました。

衛生士さんは、何度もうなずいています。

 

衛生士さんは院長先生が去ると、診察台の上に、目薬みたいな白い容器を置きました。

しみ止めのお薬なのでしょう。

銀色の四角い板に、しみ止めの薬を出して、白色のスティック状の物で軽く円を描くようにしています。

衛生士さんが、こちらを向きました。

 

「椅子を倒します。」

「はい。」

「失礼します。」

 

椅子が倒され、衛生士さんは、私の上唇と歯茎の間に、円筒形の綿を詰めました。

 

「これから、しみ止めをつけます。」

「はい。お願いします。」

 

衛生士さんが、ライトを私の口に当たるように調整しました。

スティックで、私の歯にしみ止めをつけて、くださいました。

丹念にしてくださっているので、真剣な表情です。

 

「そのまま、しばらくお待ちください。」

「はい。」

 

衛生士さんの言葉に、私は軽くうなずきました。