ここに通院していたころの話ですので、7年以上前の話になります。
私は診察室に入って、右奥の治療椅子に座って待っていました。
夏だったのでしょう。
開けられていた窓から、公園で遊んでいる子どもたちが見えました。
小学生くらいの子どもが、追いかけっこや、ブランコ、鉄棒で遊んでいます。
私についてくださっている20代の歯科衛生士さんに、声をかけました。
「子どもたちは、暑くても元気ですね。あ、逆上がりをしている。すごいなぁ。私はできませんよ。」
「私はできます。」
「えっ、できるのですか?」
「はい。」
「子どものときではなく、今でもできますか?」
「やればできると思います。」
「すごいですね! 私は、子どものときも1回もできませんでした。何回くらいできますか?」
「……。」
衛生士さんが、答えないので言いました。
「10回できますか?」
「はい。」
「できるのですか! もしかして、それ以上、できますか?」
「はい。」
「すごい!」
20代の衛生士さんは、ご結婚されたようですので、そのために退職されたのかもしれません。
代わりに、同じような年齢の女性が入られたようですが、すぐ見かけなくなりました。
もしかしたら今は、新しいスタッフの方が入られたかもしれませんが、歯科医、歯科衛生士、歯科助手の3人で、治療しております。
ここでは、衛生士も助手も、全てスタッフと呼んでおりました。