2017年1月26日、木曜日。
天気がよいので、仕事が終わってから営業に行きました。
私は非正規職員で、6時間勤務のため、早く帰宅できます。
いつも営業させていただいている市内の歯科へ行きました。
靴が1足あり、患者さんは診察室へ入っておられるようでした。
待合室には誰もいませんでしたが、椅子に座って待っていると、受付から歯科助手で、歯科医の奥さんが声をかけてくださいました。
「こんにちは~。」
「こんにちは。よろしくお願いします。」
私は受付へ小走りで行き、チラシをお渡しすると、奥さんは棚の扉を開けて、確認してから、メモ用紙に書いて渡してくれました。
メモには、商品名と個数が書かれています。
「いつでもいいです。」
「いつもありがとうございます。」
笑顔でお礼を言ったあとで、疑問に思っていることを伝えました。
「歯がしみる感じが続いているので、シュミテクトを使っているのですが、一週間経っても効果を感じません。虫歯でしょうか?」
「ん~。知覚過敏かもしれませんね。今から診察、どうですか?」
「えっ、今からですか?! 歯ブラシを持ってきていません。」
「歯ブラシなら、そこにありますので、使ってください。」
奥さんは、トイレ前の洗面所を手で示しました。
そこに使い捨ての歯ブラシセットがあることは、以前から知っていました。
「心の準備が……。」
そう言いつつも、せっかく声をかけてくださったので、断るのは申し訳ないと思いました。
何年も診ていただいておりませんので、いつかは診察にかからなくてはいけないとも思いました。
「はい。お願いします。」
「保険証は、お持ちですか?」
「あります。」
私はバッグから、保険証を取り出すと、奥さんに渡しました。
「お願いします。」
「はい。」
ふと思いついて、カード入れを探すと、歯科の診察券を見つけました。
「診察券も持ってきていますので、お願いします。」
「ありがとうございます。」
診察券を渡すと、奥さんは両手で受け取ってくださいました。