「寒いですので、上着はそのままでお願いします。私も帽子だけ取りますが、コートは着たままにします。」
「えっ、じゃぁ。すみません。」
椅子に座る際に、Uさんが上着を脱ごうとされているので、注意しました。
推進委員の方にも声をかけました。
「寒いですので、上着を着てください。」
「大丈夫です。」
「風邪を引かれても困りますので、着てください。」
「本当に大丈夫です。」
「そうですか? 寒くなる前に着てくださいね。寒いと思ってからでは、風邪を引いてしまいます。」
「わかりました。」
私の前に、お二人が席に着きました。
「筆談具は、持って参りました。」
「私も、あります。」
Uさんが、A4バインダーに紙を挟んだ物をテーブルに出されました。
私も、携帯用のホワイトボードを出しました。
「改めまして、私は〇〇総合振興局社会福祉課地域づくり委員会のUと申します。こちらは、地域づくり委員会推進員の……さんです。」
「◎△$♪」
「〇〇(私の名前)です。よろしくお願いします。」
私は聴覚障害があるため、ところどころ、何をおしゃっているのかわかりませんが、お互いに頭を下げて自己紹介をしました。
「わざわざ雪の中、お越し頂き、ありがとうございます。〇〇(地名)は雪が多くて、驚かれたのではないでしょうか?」
「〇〇〇(地名)は、こんなにありません。雪が多くて、驚きましたよね? 靴も、これで歩けるか心配になりました。」
Uさんは冬用のブーツを履いていましたが、推進委員の方の靴を見ると、ヒールが3㎝くらいの、甲が開いているものでした。
「こちらではブーツか長靴でなければ、歩くことができません。大丈夫でしたか?」
「何とか歩けました。」
「よかったです。本当に寒くありませんか?」
「大丈夫です。たくさん着ていますから。」
そう言われた推進委員の方は、寒そうに見えました。